理想郷を求めて



こちらGW自由研究探検隊だ
ただ今険しい山道を登っている


「隊長、一体何処を目指しているのですか?」

「そうだな強いて言うなら俺らの理想郷だ」

理想郷なんて存在するのか
いち早く見てみたい、その一心で山を登った


足元が狭く
今にも落ちそうな崖を歩いていた

「夢を叶えるにはこんなリスクを伴うなんて...」



しばらく進むと分岐の道に出た


「隊長!こちらの道は安全そうです!」

「何を言っている、
理想郷は険しい道の先にあるのだ反対を行こう」

そう隊長が言い、嫌々だが
今にも崩れそうな足元の道を行こうとした

その瞬間、
安全だと思った道から3メートル程の
巨大な熊が現れた

隊長が、
すかさず前に出る

「お前ら!早く逃げるんだ!」

と言いメモを隊員に渡して
熊の注意を引きつけてる

「で、でも隊長1人じゃ!」

「うるさい、命が1番大事だ、さっさと行け!」

隊員は泣きながら
隊長の安全を願い険しい道を進んだ

「僕が安全な道に行こうと隊長を止めたばかりに」

と嘆きながら先ほど貰った
メモを開いた



「美味い野菜ジュースを作れ」




隊員は、
絶対に作ってやる
美味い野菜ジュースを作って
隊長を喜ばせるんだ

そう決意して野菜ジュース作りを始めた



思いついた材料を入れ
ミキサーにかける

「酸味と苦味のバランス悪すぎないか、不味い...」

何が悪いのか、そうだ
もっとフルーツを増やそう

そう思い付きブドウとバナナに
野菜は人参とトマトに変え、
ヨーグルトも追加


かなり美味い、
成功かと思ったが
これだと野菜ジュースってより
フルーツジュースだな

葉物野菜を追加して
味も良くなるよう改良しよう


何回か試作を作って
苦味と甘味と酸味の調和を目指した

ありとあらゆる野菜を入れた
ピーマン、ほうれん草、小松菜
トマト、ブドウ、オレンジ、バナナ

入れすぎたので期待はしていなかった

ゴクリ、おそるおそる飲んでみた




「あれ、美味い!
野菜の青臭さもないし、栄養価も高そうだ」


俺らを守ってくれた隊長の為
必死に作った
だがもういない




「ん、この野菜ジュース美味いな!」


そこには
僕らをかばった隊長の姿があった


「隊長!!!無事でしたか!」

「おう、よく見たら親戚のおばさんだったよ」


なんだそれ、と笑いながら
隊長が生きてた事を喜んだ


「お前ら、理想郷に着いたな」




そう言うと隊長はスーッと消えていった















minato ha'r'ten

服作りしてます、お手柔らかに

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